ライフサイエンス組織内において、シグナル検出が最大の関心事であるのには理由があります。形式を問わず、製品の安全性にダメージを与えるトップ記事は、毎日ニュースになり続けます。患者の安全性と規制コンプライアンス遵守が最大の懸案事項である中で、企業の評判、経営状態および消費者の信頼に与える悪影響は、そのような状況下では大きな打撃を受ける可能性があります。

多くの企業において、医薬品安全性ファーマコビジランスのシグナル検出は、規制提出と症例管理のすぐ後ろに主要活動として順位付けされます。なぜならば、これは、内部と外部の医薬品安全性データベースとプラットフォームに送信されたデータを追跡することで明らかになった製品のリスクを積極的にモニターするのに役立つからです。

しかし、医薬品安全性におけるシグナル検出が重要であるにも関わらず、多くの組織は、この極めて重要な活動の実施と管理に、手作業による方法に今もなお依存しています。安全性シグナルを一貫した方法で、適切なサインオフを伴って追跡し文書化することは、複数のソースからのデータや組織の複数の分野(製品開発、臨床試験、市販後調査、顧客クレーム等)にわたるデータの高められた積極的な分析を行う今日の傾向を考えると、手作業による方法ではリスクを伴い、実用的ではありません。

特定のビジネスドライバーによって、高品質のデータに基づいた、準拠した、迅速かつ効率的なシグナル管理を確実にする自動化プロセスの今後の動向に拍車がかかっています。

規制ドライバーNo.1: EudraVigilanceの遵守義務

欧州で事業を行っている製造販売承認取得者(MAH)については、多くの企業にとって最も緊急を要することは、副作用の疑いの報告と分析のための、強化機能を備えた、より大きく、より優れた新しいEudraVigilanceシステムでの日常的なシグナル検出の方法に関する、欧州医薬品庁(EMA)の迫り来るガイダンスに対応することです。

EMAが欧州のMAHの製品に発見したシグナルをMAHが検証、レビュー、評価し、その結果をEMAに提出することを義務付ける日として、EMAは2017年11月22日を設定しました。これには、特定の製品のすべてのシグナルの継続的で定期的なレビューと評価も含まれます。すべての報告は、EMAのEDVAS(EudraVigilanceデータ分析システム)で行われます。

EudraVigilanceには、シグナルの標準化を進めるという目標があります。企業にとって重要な変化は、EMAが年2回発行するImportant Medical Event (IME)リストまたはDedicated Medical Event (DME)リストのいずれかにシグナルが属さなければならないため、EMAがシグナルを何とみなすかについて明確に知ることになるということです。その時点で、企業は、EDVAS内でこれらのリストに自社のシグナル検出を適用します。

関連する課題として、IMEとDMEのリストに載っていない、有効でないシグナルを処理するために、企業は、自社のシグナル検出システム内で処理されるシグナル検出の二次的ストリームをもつことが必要になります。これらの症例はEMAに報告されませんが、企業には依然としてこれらを検討する法的要件があります。これにより、安全性部門の負担が増え、企業は、労力を支援するための自動化されたシステムなしに、これらを処理するリスクを注意深く見極める必要があります。

ビジネスドライバーNo.2: eRMRの遵守

EudraVigilanceと併せて、EMAの新しい要件である「eRMR Readiness」により、当局とMAHは、更新情報についてEVDASからelectronic Reaction Monitoring Report(eRMR)をダウンロードしてEMAに返送することが必要になります。

シグナル検出と管理の機能も必要です。EMAによると、EudraVigilanceデータを使用した新しいシグナル管理要件の遵守やelectronic Reaction Monitoring Report(eRMR)のスクリーニングを含む新しい要件により、リソースの増加が必要になる可能性があります。

詳細については、EudraVigilance Change Managementに関するEMAのWebページの「What should marketing authorisation holders do to prepare for the change?」セクションをご覧ください。

ビジネスドライバーNo.3: Non-Conformanceのリスク

MAHにとってストレスの高いときは、規制査察や監査のときです。コンプライアンスを確実にするために自社のシステムとプロセスがどの程度役に立っているかを企業が知るのは、多くの場合その時です。

例えば、MHRAによってどのNon-Conformanceレポート(NC)が発行されたかをある期間にわたって注目することで、多くの場合、三分の一以上が不適切なシグナル管理手順や統制に起因していることがわかります。

この主張の参考として、FDAニュースの2016年1月の記事「Critical Findings in MHRA Inspections Increase for Second Straight Year」をご参照ください。これには、「引用された最も重要な所見は参照安全性情報の欠如であり、次いでシグナル管理の失敗、見落とし、品質システムの不具合、およびリスク管理システムの欠落である。」と示されています。

考慮すべき問題

目の前にある特定の医薬品のベネフィット・リスクの状況を十分に理解することで、ライフサイエンス企業は、より良い評価と情報に基づいた意思決定を行うことができ、最終的に患者の安全性の確保に役立ちます。

このブログで取り上げられている要点を考慮すると、ライフサイエンス企業は、シグナル検出への遵守を確保し、その目的を達成する準備が自社のプロセスとアプローチに十分にあるかを慎重に検討する必要があります。

このブログは、シグナルとリスク管理に関する2部構成のブログシリーズの1つ目です。2つ目のブログでは、「安全性シグナル検出とリスク管理に対するベストプラクティスアプローチ」に焦点を当てます。

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