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新しいEudraVigilanceシステムから個別症例安全性報告(ICSR)を処理する点について、欧州医薬品庁(EMA)が製造販売承認取得者(MAH)に寄せる期待に著しい変化があり、既に多忙なファーマコビジランス部門の業務がさらに増えています。これまでEMAは、ゲートウェイ間の接続を通じて、ICSRをMAHのファーマコビジランスデータベースに転送していました。報告の簡素化への取り組みの一環として、新しいEUファーマコビジランス規制に従い、現在EMAは、MAHに共通のポータルにログインすることを義務付けることで、MAHにさらなる責任を負わせています。EudraVigilanceポータルにログイン後、MAHはICSRをダウンロードし、有効なファイルをレビューして関連する報告を識別し、これらの症例を自社の安全性データベースにインポートしなければなりません。

これは厄介な作業であり、ICSRをE2B(R3) XML形式で配信することで、困難さが増しています。ファーマコビジランス担当者は、関連性を判定するために、各ICSRを手作業でレビューしなければなりません。このレビューの間、有効なICSRのプールは、該当症例と非関連症例に分類されます。E2B(R3) XML形式を使用するということは、未加工構造ではICSRを容易に読み取れないことを意味します。全体的なプロセスが多くのリソースを必要とし、非効率的です。

課題の理解

ArisGlobalの最近のWebcast「From Push and Pull with EMA: A Modern Take on Triaging Adverse Events」において、参加者に、「レポートをトリアージする際の最大の課題は何か?」と尋ねました。その回答は、「大量の有害事象を処理すること」と「ファイルのダウンロードに要する時間」との間で均等に分かれました(どちらも37%)。その他の懸念は「適用ファイルの調整」および「手作業でのファイル分別」で、少数の回答者が優先事項とみなしていました(それぞれ15%と11%)。ハイボリュームと作業に費やす時間は、企業が直面している包括的な問題の核心部に迫っています。それは、大量かつ増加の一途をたどる作業負荷をより少ないリソースで管理することです。

しかし、EudraVigilanceからダウンロードしたICSRのトリアージと調整に対処する優れた方法があったらどうでしょうか?ArisGlobalは、LifeSphere® EV Triageと呼ばれるツール(EudraVigilanceトリアージツール)を開発しました。これは、ダウンロードしたICSRのレビュー、トリアージおよび調整の手動プロセスを自動化します。このツールは、有効なファイルから関連するICSRをフィルタリングするアルゴリズムを使用しています。このアルゴリズムでは、一般的にファーマコビジランス担当者がレビューに使用する主要パラメーターが使用されています。データ要素には、ローカル製品名、活性物質名/有効成分名、剤型、投与経路、および第一次情報源の国が含まれます。これらのデータポイントがMAHの製品辞書で参照され、ICSRファイル内のデータと比較されます。そのため、ツールにより、この作業に関連する量と時間の制約に対応することができます。

また、このツールには、ダウンロードした症例を調整してアーカイブするオプションがあります。関連しないと判定された症例は、今後の参考のためにツールによってアーカイブされます。このローカルリポジトリにより、初めに「非関連」と判定された症例を検索して取り出すために、MAHがEudraVigilanceポータルに依存することがなくなります。

LifeSphere® EV Triageツールには、最新の自動化技術と人口知能(AI)技術が取り入れられていて、ICSRのダウンロードとトリアージに関わる手作業の労力を大幅に軽減することが期待されています。鋭い分析とオートマッチング機能により、関連症例が適切に識別され、分類されることを確実にします。このツールの記述情報の分析に採用されている自然言語処理(NLP)は、自己学習機能で、製品に関するより多くの情報を安全性システムが利用できるため、関連性の判断に役立ちます。

自動化への留保に対応

しかし、AIや自動化にについて議論する場合は常に、技術に関する業界の消極さや不安を考慮する必要があります。そのため、当社のWebcastにおいて、参加者に、「自動化機能を採用するにあたり、最大の障害は何か?」と尋ねました。恐らく驚くことではありませんが、「品質への不安」が最大の障壁と考えられていました(48%)。僅差で、「既存システムを統合する費用」が続きました(45%)。「投資に見合わないROIの認識」または「スキル不足」が大きな障壁であるとの考えはごく僅かでした(それぞれ4%)。LS EV Triageツールに取り入れられている最新かつ実績のある自動化技術によって、本ツールには高い性能があると考えます。早期導入者からは、ツールによって最大80%の効率向上がもたらされたとのフィードバックがありました。

ゲートウェイ間のICSR伝送の再開について、EMAから確定したスケジュールの知らせがないため、EudraVigilanceからダウンロードしたICSRのレビューとトリアージのプロセスを自動化するツールを使用することで、MAHは手動プロセスによる現在の負担から解放されることになります。直接の伝送が再開されたとしても、MAHは、自社の安全性症例を完全に管理するために、トリアージプロセスを簡素化するのが賢明です。

本トピックの詳細については、当社のオンデマンドWebcast「From Push and Pull with EMA: A Modern Take on Triaging Adverse Events」をご覧ください