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有害事象入手、報告プロセスを今こそ見直す時期に来ている!


IT 活用をすることで有害事象入手、一次報告から当局報告までのプロセスの迅速化・正確化を実現

日本医療・病院管理学会による医薬品情報に関するアンケート調査からによりますと、患者および消費者の皆様が薬に関して、知りたい情報に第 1 位は「効能・効果」、次いで「副作用」が選ばれました。この結果によりますと、患者および消費者が薬を選ぶ際には、医薬品の有効性と安全性を重視していることが分かります。

患者および医療従事者に正確な有害事象情報を迅速に提供することにより、薬を安全に使用してもらうことで会社への信用に繋がることは今さらでもありません。最近の医薬品業界のニュースにもありましたが、副作用情報を 1 万件も放置し、長年に渡り報告を軽視した例もありましたが、これは氷山の一角であるかもしれません。このような事態の直接的なリスクとして、当局への副作用遅延報告書の提出、立ち入り調査の実施、改善指示・命令、そして承認の取り消し等が考えられます。それにより、企業価値の低下に繋がれば、その損失は計り知れません。

患者に生じた有害事象を収集する情報入手源は、現状 MR 経由での医療従事者からの入手が約 8 割に達していることもあり、医療従事者にとって MR は有害事象の重要な情報源となっています。その重要な情報源入手担当である MR は、未だ調査票等の紙を使用し、ファックスあるいは電子メール等で有害事象の一次報告がされている現状があります。また、全国の MR からファックスで送られてくる調査票を専門の CRO が入力を行い、安全性管理担当者が入力された調査票と送られてきた紙の情報の照合をし、多くが原始的な方法での手作業で処理しているのが現状です。これでは、安全性管理の担当の負担ばかりが増大し、ミスが生じる可能性が高まっていくことでしょう。

有害事象入手・報告プロセスで重要な作業の一つとしては、様々な報告の中から当局報告が必要な事象(既知/未知、または重篤/非重篤)の識別、複数の MR からの同一症例・事象の重複報告、または過去に報告された有害事象の再度の重複報告の検索など、多数の一次報告からの有害事象報告を確実に識別処理することです。また、有害事象報告の識別後、当局報告が必要とされた症例の必須情報を MR とのやりとりをしながら、時間内に収集するようにもプロセスも効率良く行わなければなりません。

下記の図 1 は、有害事象入手・報告プロセスの想定される現状とそれらの課題を表わしたものです。MR が収集する一次報告の有害事象は、緊急性の高いものの識別と識別後から当局報告までは、まさに時間との闘いです。ドクターからの自発報告や副作用アンケートから得た有害事象は全例報告必須でありますが、判断が難しいものもあり複数の MR からも重複報告されることが多発します。また、大半の製薬企業の SOP(標準作業手順書)では、一次報告のうち未知の重篤例は24 時間以内に安全性管理部門への報告義務があるため、初動での対応が大きなカギとなります。

図 1 有害事象報告の想定される現状と課題
有害事象報告の想定される現状と課題

さらには安全性データ等の情報には、報告者による有害事象反応に関する用語の統一化およびレビューの正確性が強く求められ、安全性管理システムとのシームレスな連携が出来なければ、システムへの再入力等、マニュアル操作が増加し、ミスの誘発にも繋がっていくことになります。

このような有害事象入手・報告プロセスは、海外事業の製薬会社であれば、国内だけの報告に留まらず、海外症例の PMDA 報告や国内症例の FDA または EMA 報告における、同一症例であることの担保など、グローバルレベルでの運用も課題となります。

以上のように、当局報告に至るまでのプロセスには、様々な課題がありますが、まだ多くの改善の余地が残されています。それは IT システムにより、プロセスを簡素化、可視化、効率化し、紙の情報を可能な限り電子化し、当局報告のシステムとシームレスな自動連携を図ることにより、よりプロセスの迅速化、正確化をすることになります。

業界で唯一、有害事象一次報告の段階から安全性管理システムまでの一連のプロセスをカバーする製品が、アリスグローバル社が提供する MedInfo スイート製品である「agTracker™」および「agReporter™」です。アリスグローバル社は長年に渡り、当局報告用の安全性管理システムを提供し続けてきました。長年培った安全性情報管理のノウハウを生かし、有害事象一次報告を支援するソリューション、そして有害事象の識別、追跡、フォローアップを効率化し、確実で迅速に安全性管理システムに繋げていくソリューションの出荷を開始しました。これらのソリューションにより、有害事象入手・報告プロセスに存在する様々な課題を解決していくことになります。有害事象入手・報告プロセスを刷新したものが図2になります。

図 2 アリスグローバルが提供するソリューションによる有害事象プロセスの刷新
有害事象報告の想定される現状と課題(改善後)

図 2 のプロセスを解説すると、ソリューションの一つの製品である「agReporter™」を活用することにより、訪問先から iPad( iPhone あるいは Android スマートフォン)アプリを起動し、調査表画面に必要な情報入力を行います。その情報が直接安全性管理部門へ有害事象一次報告とされます。場所を問わず即時送信されますので、報告処理時間と大幅に削減されます。また、不足情報あるいは追加情報があった際には、その iPad を活用したフォローアップ(安全性管理部門とのやりとり)が円滑に実施可能となります。

加えて、「agReporter™」には、医療従事者からのお問い合わせの対応機能や必要ドキュメント(文献/エビデンス/FAQ等)の情報入手等の機能が搭載されており、MR が活用している iPad をさらに活用していくことが可能になります。

さらに、もう一つ製品である「agTracker™」は、「agReporter™」で収集された有害事象一次報告を緊急性のあるもの、過去にあった有害事象等の重複チェックを自動的に行い、当局電子報告の ICS E2B ICSR File の自動作成、柔軟なワークフロー設定により、有害事象の処理および追跡を迅速に行い、より正確なプロセスに刷新することが可能になります。さらに、用語統一のために MedDRA ユーザインターフェイスを装備、多言語サポートとクラウド型システム環境によるグローバルレベルの運用を実現します。安全性管理システム( ARISg,j を始めとする Argus やパーシヴ Ace/PV 等)とシームレスな連携を図ることも大きな特長の一つとなります。

これからは、従来のマニュアル操作主体のプロセスではなく、進化した IT をフル活用し、一貫性のプロセスに刷新し、有害事象入手・報告のプロセスを見直す時期が来ていると確信しています。これらを刷新することにより、企業としてのリスク軽減、顧客満足度向上、企業価値の向上へもつながっていくことだと認識をしています。